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【10・30市民集会】連帯アピール【香山リカ精神科医】

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 若い人たちは狭山事件をあまり知らないのではないか。若い人に話しても「もうずいぶん昔のことでしょう」というかもしれない。しかし、私は今だからこそこの狭山事件と冤罪の問題を若い人たちに知っていただきたいと思う。

 この問題は決して昔の古いことではない。いま、この国では憲法を変えようとする動きがある。自民党が策定した新しい憲法草案には、基本的人権に制限をくわえようとしている。天賦人権説の理念には基づかず、権利には責任と義務がつきまとうのだと変えようとしている。

 狭山事件は、社会的に弱い立場にある人の人権を無視し犯罪者にでっち上げるという、まさに人権を踏みにじる典型だった。

 国家権力は私たちの人権に手を付けようとしている。石川さんの冤罪事件というのは、こうやって私たちの人権が踏みにじられることがあることを示している。さらに私たちの人権というものがないがしろにされる危険性が存在することを教えてくれる。
 だから、若い人たちにこういう事件が起きうること、日本に実際にあるんだということを是非しってもらいたい。

 私は精神科医だから関わりがある問題だと思っている。それは虚偽の自白の強要という問題だ。犯罪心理学の研究が進み、人間は一定の条件下ではいとも簡単に自白を強要され嘘の自白をしてしまうこと。或は記憶まで改竄してしまうが明らかになってきている。

 再審開始のために、犯罪心理学の知見を是非つかって、人間の精神にある自白というものの脆さに権力が介在するということを知ってほしい。だから、この事件は決して他人事ではない。
 今年は安保のことをきっかけに、多くの人たちが声をあげ、集会に参加した。とくに若い人たちも「国の主役は自分たちなんだ。権力者ではない」ことを知り始めた。おそらく彼らであれば、この狭山事件の冤罪性にも興味を持って一緒に考えてくれるだろうと思う。そして、声をあげることがきっと何かを動かせるんだという手ごたえを自覚することができた一年だった。

 みなさんは本当に長い間とりくんでおられるけれども、平和・人権にとりくんでいる人たちへ世代を超え、「人権」で手を携えて行ってほしい。これからも一緒に頑張っていきましょう。
by hageguma | 2015-11-07 12:03 | 取り組みニュース

池田市民の会/池田市民共闘/池田支部


by hageguma