第28回三者協議の報告

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各都府県連合会 2016年5月26日
担当者 様 事 務 連 絡
部落解放同盟中央本部
中 央 狭 山 闘 争 本 部

第28回三者協議の報告の送付

狭山第3次再審闘争勝利にむけた日々のとりくみに敬意を表します。
5月25日に第28回三者協議がひらかれましたので、別紙の通り、報告を送付します。参考にしてください。

三者協議にあわせて弁護団は、5月23日付けで、取調べ録音テープにもとづいて自白の変遷が取調官の誘導によるものであることを明らかにした再審請求補充書を提出しました。

一方、検察官は、弁護団が求めた「万年筆」の捜索に関する証拠開示については「不見当」とし、「財布」「手帳」についての証拠開示請求に対しては「関連性・必要性がない」として開示に応じませんでした。

東京高検以外の証拠物の一覧表については、弁護団が警察保管の証拠物を東京高検が取り寄せているのかなど証拠物の保管状況について釈明を求めていましたが、三者協議において、東京高裁の植村裁判長は検察官に対して、警察、検察での証拠物の保管等の一般的な取扱いをふくむ説明を求めました。
わたしたちは、こうした状況をいかして、さらに証拠開示、とくに証拠リスト開示を求める世論を大きくしていく必要があります。

次回の三者協議は8月下旬の予定です。取調べテープから、石川さんが犯人でないがゆえに犯行内容を知らないこと(無実ゆえの「無知の暴露」)、自白が警察官の強要、誘導によるものであること、当時の石川さんが非識字者で脅迫状を書いていないこと、等が明らかになっています。取調べテープは決定的な無罪の新証拠です。

各地において、弁護団が提出した新証拠、とくに浜田鑑定など取調べテープについての学習・教宣をすすめ、冤罪53年と証拠開示、事実調べをと訴え、署名活動、要請ハガキ運動をすすめ、各地で闘いの強化をはかってくださるようお願いします。

以 上

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第28回三者協議について(報告)


部落解放同盟中央本部

(1)弁護団が再審請求補充書を提出(5月23日)

弁護団は、5月23日に再審請求補充書を東京高裁に提出しました。石川さんの自白は、3人共犯から単独犯行へと変遷し、さらに性的目的での連行から身代金目的の連行へと大きく変遷しています。それにともなって脅迫状を書いた時期や場所なども変遷しています。今回の補充書は、新証拠である浜田鑑定、脇中鑑定をふまえて、こうした自白の変遷を取調べテープに録音されたやり取りにもとづいて分析し、自白に信用性がないことを明らかにしたものです。

たとえば、6月24日付けの自白調書では、前日までの性的目的で連行したという自白とは大きく枠組みが変遷し、「吉展ちゃん事件のように子供を誘拐して競輪に使う金を取ろうと考え」「どこかの子どもを誘拐する目的で手紙(脅迫状)を書いて」「ジーパンのポケットに入れて持って歩いていたら女学生が通りかかったので誘拐して金を取ろうとした」と述べたようになっています。しかし、この日の取調べ録音テープでは、警察官らが、たとえ話も持ち出しながら、あらかじめ子どもを誘拐して身代金を取ろうと考えて脅迫状を書いて持ち歩いていたら、女学生に出会って誘拐相手を変更して連行したという筋書きを延々と話しており、石川さんは「うん」という一言だけをくりかえしています。自白調書と取調べテープのやり取りには大きな落差があり、真犯人が自分の犯行体験を語ったとはとうてい言えないと指摘しています。

身代金目的の単独犯行の自白では、脅迫状は元々一人で書いていたことになりますが、取調べテープのやり取りでは、何をヒントに、どのように脅迫状を書いたか、動機は何か、脅迫状の宛て名の「少時」の説明など、石川さんはまったく語れていません。取調べテープによって、不自然な変遷をくりかえしている自白が、石川さんが自ら体験を語ったものでなく、警察官主導の取調べで誘導され、つくられたものであることが明らかです。

(2)第28回三者協議(5月25日)

2016年5月25日、東京高裁で第28回三者協議がひらかれました。東京高裁第4刑事部の植村稔裁判長と担当裁判官、東京高等検察庁の担当検察官、弁護団からは、中山主任弁護人、中北事務局長、横田、青木、近藤、平岡、福島、河村、小島、山本、指宿、七堂、小野、川端の各弁護士が出席しました。

昨年1月、東京高検にある証拠物の一覧表である領置票が開示されたことを受けて、弁護団は、埼玉県警など東京高検以外で作成された証拠物一覧表の開示を求めていましたが、前回の三者協議で検察官は、弁護団が求める証拠物一覧表は、東京高検の領置票と同じもので開示の必要性はないとしました。弁護団は、4月22日付けで、証
拠物のうち警察保管となっているものを東京高検は取り寄せているのかなど、どのように証拠物保管を取り扱っているのか釈明を求める書面を提出しました。ことし2月に大阪府警で、4300件もの事件の捜査資料や証拠品10000点以上が30年以上にわたって検察に送られず放置されていたという警察のずさんな証拠管理が明るみに出たことも指摘しました。

今回の三者協議で、植村裁判長は、証拠物が警察から検察庁に送られる際にどのような書類が作成され、どこで保管されるのかなど、捜査段階で集められた証拠物の保管についての一般的な取り扱いもふくめて、検察官に説明するよう求めました。検察官の説明をうけて証拠物一覧表の開示について裁判所も検討するとしました。
また、2月に弁護団が提出した「万年筆」「財布」「手帳」についての証拠開示勧告申立書に対して、検察官は5月18日付けで意見書を提出しました。
弁護団は「万年筆」に関して、主任検察官だった原検事が1審の裁判所の検証の際に万年筆隠匿場所について実際とは違う場所を指示説明していることを指摘し、万年筆が「発見」された6月26日の家宅捜索への原検事の関与や捜索状況についての捜査書類、検証の際の指示説明の根拠に関わる捜査書類の開示を求めていました。これに対して検察官は、6月26日の捜索についての供述調書1通(すでに上告審で開示済み)を添付し、そのほかには弁護団の求めるものは見当たらないと回答しました。

また、取調べ録音テープにおいて、被害者の財布、手帳についても、石川さんが犯人でないゆえに何も知らない「無知の暴露」があらわれており、「財布」「手帳」について、どのような捜査がおこなわれたかについて証拠開示を求めていましたが、検察官は、関連性・必要性がないとして応じませんでした。弁護団は、この検察官の意見書への反論を出すと伝えました。

弁護団が求める証拠開示について、検察官は「不見当」というだけで、そもそも存在しなかったのかどうか釈明を求めても不明としか回答せず、埼玉県警などの証拠物一覧表の開示も必要性がないとして拒否していましたが、今回の三者協議で、東京高裁が、証拠物の保管と一覧表の作成などの取扱いについて検察官に具体的な説明を求めたことは重要です。わたしたちは、公平・公正な審理、証拠開示を求める世論をさらにひろげていく必要があります。

そもそも、捜査で集められた証拠は検察官の独占物ではなく国民の共有財産であり公正・公平に弁護側がアクセスできるよう保障されなければならないはずです。そして、無実の人を誤った裁判から救うという再審制度の理念と、再審において証拠開示と事実調べが不可欠であるという足利、布川、東電などこの間の再審無罪の教訓をふまえれば、再審においてこそ捜査書類をふくめた全証拠リストの交付制度が必要です。

次回の第29回三者協議は8月下旬におこなわれる予定です。さらに、証拠開示をすすめ、事実調べを実現するために、各地で学習会や街頭宣伝、署名活動、要請ハガキ運動などの取り組みをすすめ、世論をさらに大きくしていこう!

以 上

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by hageguma | 2016-05-26 15:53 | 情報 | Comments(0)